1. Slackワークフロービルダーを使って毎朝自動で「今日やることスレ」を立てる
Updated
2021/8/8 8:30
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もしあなたがSlackを業務で使っていた場合、「定期的なメッセージの送信」や「依頼内容の詳細ヒアリング」を自動化したいと思ったことがあるかもしれません。
Slackでは多くのAPIが公開されているため、サーバーを立ててあなたが書いたプログラミングを動かすことができれば、Slack上でやりたいことの大半は自動化することができます。しかし、それには一定のプログラミングスキルや開発コスト、サーバーの運用コストがかかってしまいます。
Slackワークフロービルダーを使うと、Slack上で完結する簡単な自動化であれば、GUIで設定するだけでNoCodeで実現することができます。
この一連のチュートリアルではSlackワークフロービルダーを使って簡単な業務効率化を体験してみましょう。まず最初は、チームのチャンネルで「今日やること」をメンバーが書き込むためのスレッドを自動で立てるワークフローを構築してみます。
なお残念ながら、Slackワークフロービルダーは現在Slackの有料プランでしか使えないようです。無料プランを使っている場合は、涙を飲んで諦めるか、これを機にアップグレードを検討しましょう。
前提知識
Slackを業務で使っていてSlack上の概念や簡単な操作に慣れていることを前提に説明します。
作るもの
チームのチャンネルで「今日やること」をメンバーが書き込むためのスレッドを自動で立てるワークフローを構築します。Slack上で非同期に各メンバーが今日のタスクを宣言することで、相互にサポートし合ったり新しいコラボレーションが生まれるかもしれません。

体験すること
このチュートリアルによって、以下を体験します。
- Slackワークフロービルダーとは何かを理解する
- Slackワークフローを新規作成する
- Slackワークフローの開始スケジュールを設定する
- Slackワークフローのメッセージ送信設定をする
- Slackワークフローを公開する
- 既存のSlackワークフローを編集する
チュートリアルスタート!
ここからは、実際に手を動かしながら読み進めていきましょう。ただ読むだけよりも、実際に体験した方が内容を深く理解することができます。
Slackワークフロービルダーとは?
Slackのヘルプセンターに書いてある説明によると、「ワークフロービルダーは、定型的なタスクやプロセスを自動化し、Slack から直接実行できるようにするツールです」とあります。日々Slackを使っていると、「定期的に同じ文章を手動で投稿している」とか「色々な人から来る依頼文のフォーマットがバラバラで必要な情報がない」などの課題が生じることがあります。こうした繰り返し行われるタスクを自動化したり定型化したりすることができる機能が、Slackワークフロービルダーです。もちろん、どんなタスクでも自動化できる汎用的なワークフロー構築ツールというわけではありません。しかし、シンプルなシナリオであれば、プログラムを書かなくてもGUIでポチポチ設定するだけで、簡単に自動化することができます。
Slackワークフロービルダーでできる主なこと
実際にワークフローを作成する前に、Slackワークフロービルダーでできることのイメージを持ちましょう。
Slackワークフロービルダーで作成するワークフローは、「開始する方法(トリガー)」と1つまたは複数の「ステップ」から成ります。
「開始する方法」では、そのワークフローが起動されるタイミングを指定します。ユーザーの操作によって起動される場合と、スケジュールなどで自動で起動される場合の、大きく2種類に分けられます。実際に選べる設定は、次の画像の通りです。

ワークフローが起動した際の実際の処理については、「ステップ」として設定します。ただし、できることはそんなに多くありません。最も使われるステップは、特定のユーザーやチャンネルに「メッセージを送信」するというものです。また、モーダルを開いてフォームを入力させることもできます。

「Zapierで色々なサービスを連携してNoCodeで業務を自動化しよう」というチュートリアルをすでにやった方であれば、Slack上でのみ動くシンプルなZapierっぽいものだと思っておけばいいです。
Slackワークフローを新規作成する
Slackワークフロービルダーの概要がわかったところで、さっそく実際にワークフローを作ってみましょう。
Slackの画面左上のプルダウンを開き、[ツール > ワークフロービルダー]を選択します。
なお、これが表示されない場合は、利用中のSlackの料金プランにワークフロービルダー機能が入っていない可能性があります。プランを確認しましょう。

ワークフロービルダーが開いたら、[作成]ボタンを押します。開いたモーダルで、「今日やることスレ」など適当な名前を入力し、[次へ]をクリックします。

Slackワークフローの開始スケジュールを設定する
次に、ワークフローを開始する方法を選択します。今回は、「毎朝自動でメッセージを投稿する」ということがしたいので、[スケジュールされた日付と時間]を選択します。

今回は、仮に「今日から平日毎朝9:00に投稿する」という設定がしたいとします。その場合、次の画像の通りに日付(開始日付)、時間、頻度を設定します。設定が終わったら、[次へ]をクリックします。
ちなみに、頻度は毎日、毎週、毎月、毎年など柔軟に設定できます。また、「カスタム設定」を選択すると、「3日に1回」などの設定をしたり、終了日を決めたりすることもできます。

Slackワークフローのメッセージ送信設定をする
開始スケジュールの設定が済んだら、[ステップを追加]をクリックします。

ステップの種類は、「メッセージを送信」を選択します。

メッセージ送信設定で、「メッセージの送信先」に投稿したいチャンネルを選択します。ちなみにここで特定のユーザーを選択すると、チャンネル投稿ではなくDMが送られるようになります。
「メッセージのテキスト」では、実際に送信したいメッセージを登録します。ここでは、デイリー・スタンドアップでよく使われる3つの質問を例として記載しています。なお、メッセージの中に@hereや@channelを含んでいても、メンションとして機能しないようです。複数人にメンションしたい場合は、ユーザーグループをメンションしましょう。
ちなみに、「ボタンを含める」をONにすると、ユーザーに次のステップに進むか選ばせることができます。ここでは不要なので、OFFのままで問題ありません。

Slackワークフローを公開する
ステップは複数登録することもできます。今回はメッセージを送信するだけなので、これでワークフローの設定は終了です。
最後に、右上の[公開する]ボタンを押して、ワークフローを有効化します。

既存のSlackワークフローを編集する
これで、毎朝9:00になるとチャンネルに自動でメッセージが投稿されるようになりました。簡単ですね。
ただし、メッセージが意図した通りに表示されるかを確認した方が安心です。送信時刻を一時的に変更し、実際にメッセージを送信してみましょう。
まず、ワークフロー画面の「スケジュールされた日付と時間」の右の[編集]ボタンを押します。時間を現在時刻に一番近い未来時刻に変更し、[保存する]を押します。
変更を反映させるには、ワークフロー画面の右上にある[変更内容を公開]を押します。

設定した時刻になったら、Slackにメッセージが投稿されます。思った通りに表示されていることを確認しましょう。

以上で、今回のチュートリアルは終了です。実際の業務で使いそうなユースケースを考えて、チームのチャンネルにワークフローを追加してみましょう。